クセが強い
2020年9月3日
天候 晴れのち曇り一時雨
気温 31度
水温 29度
波高 3のち2m
昨日からダイビング再開してますが、風はほぼないけれどうねりがまだ残っています。
今日も長期滞在のゲストとマンツーマン。
この時期の長期滞在なので、台風の1個くらいはやり過ごすことも承知でとても余裕があります。
今日はまずトウアカクマノミ、台風明けで何か生物も変わったものがいるんじゃないかと期待持てます。
カエルアンコウを見つけられずにチ〜ンでしたが、トウアカクマノミの付近で獲物を探していそうな70センチサイズのイトヒキフエダイに会いました。
一見、体色や全身の縞模様からイレズミフエダイに似てるけど、イトヒキフエダイは成長すると体のサイズは1m近くになるので迫力あります。
2本目は魚類でもなく、エビカニとも異なる、その体の構造も生態も独特なワレカラを探しに。
砂地にエダサンゴがついている付近で、エダサンゴに紛れ込むようにグループで隠れていたヘコアユ。
よくよく見れば、うっすら笑みを浮かべたような、ちょっといらっとしそうな顔つきをしている。鱗を持たない魚でその泳ぎ方からも各鰭の部位がちょっと変わって、縦になって泳ぐことや危険を感じた時には横向きになって瞬時に泳ぐこともできる。
そして、いざワレカラを探そうとすると、やや流れと台風の後で海底が少し揺れていたせいもあるのか、なかなか見つからない。すると、糸ようじのようなタツノハトコがフラ〜っと流れてきてては、これまた糸のような海藻の茎の部分に尾鰭の先を巻きつけてユラユラしてました。
やっと見つけた節足動物のワレカラは体長1センチ、でも1本の糸のような海藻の茎に2匹が歩脚をからめているのが虫眼鏡越しにしっかり見える。
体のくびれとか膨らみとかあればいいのだけど、ほぼ糸。その糸が尺取虫が枝の上を進むように細い身体を丸めて動いているのを見ると生き物なのはわかる。
2本目はワレカラが主役のはずでしたが、なんでもない砂の水路に1mオーバーの巨漢のロウニンアジがゆったりと現れました。全く頭になかった出現にびっくりして目で追うのが精一杯で何もできません、台風の後で餌でも探して入ってきているのでしょうか、とにかく巨漢でした。
そして浅い箇所に戻ってからは自分の畑をせっせと世話するクロソラスズメダイ。必要以上に生きているサンゴを枯れさせることなく、上手にイトクサ(藻)をサンゴにつけて見事な畑となっていました。
自分で食べるものは自分で育ててパートナーを見つけるためには畑の管理も怠らない。健気な姿にちょっと感動します。
船に上がろうと浮上して、船のステップのすぐ前で、ついてきたちっこい魚。
ホンソメワケベラかなっと思ったら、コバンザメの幼魚でした。こんな小さいの見たことがない。懸命に小さい体をユラユラさせながら、僕の体にくっつこうと必死のようでした。少し待ってあげると、すぐさま体をひっくり返して、頭の上部にある吸盤をフィンにつけようとしてました。
自分よりも大きな魚などについて、移動しその魚が食べこぼしたものをいただくという生き方をするコバンザメ、ちょっとくっつく相手を間違えてしまった。
そんなこんなで2本目のダイビングも盛りだくさんのクセを見せてもらったのですが、引き続き3本目では、リクエストにあったニシキテグリを見に今度は湾内へ。
ど干潮で船の下はおよそ1.5m、おまけによーく濁っていました。
昼後から曇り空で潜っている時は大雨でしたがおかげで薄暗く、ニシキテグリが出てくるのには好条件。
ニシキテグリの動きも非常に奇妙で、初めて見る人は興奮するのも間違いない。
暗い場所が好きなのに、あのド派手な模様とスイスイとサンゴの枝の間を動き回っては視界から消えて、また出てきてを繰り返す。ちっちゃな忍者のようで見つけるとその姿を追わずにいられなくなります。
どの生き物もクセが強い、でもわかればわかるほど面白さは格別です。
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