10月、11月の西表の海
2014年9月6日
夏のハイシーズンが終わり、西表島の宿や数少ない食事どころも落ち着いて、朝の定期船で石垣から入ってくる観光客もだいぶ少なくなったようです。
巻頭写真は昨年11月24日のもの、日差しはややマイルドだけど、いい天気でしょ。
10月、11月の西表の海は水温もまだ高く、11月後半でも5ミリのワンピースにフードベストの装備で潜る事が出来ます。
10月になると、西表島は北東の風向きになる日が多くなってきます。
普段使用している上原港から船を廻して、西側に位置する白浜港を利用する事があります。
その場合は朝、各宿へお迎えした後、車で15分ほど走り白浜港からの出発となります。
海況が安定して北側周辺でのダイビングが可能になれば、上原港から出港したりもします。
白浜出航となると西表西側周辺のポイントへ出る事が多くなりますので、夏なかなか西側へ遠征出来なかった方にもオススメです。
潜るエリアは主に船浮湾周辺、網取湾周辺、海況が良ければ崎山湾周辺です。
西側海域は北側海域とは環境が異なり、見所も違うのでまた新たな一面を楽しめるはず。
スミレナガハナダイがメスを誘惑する時に出す婚姻色はこの時期が実は一番美しい。時には性転換中の微妙なボディカラーをしたのが現れたりします。
夏の間はなかなか姿を捉えにくいベラの仲間も何故かこの季節に盛んにメスを追いかけ回して、普段は見せないオスの魅力を存分に発揮してくれます。
そして西表で唯一西側にだけいるニチリンダテハゼは思いのほか接近出来るいい被写体です。最大の特徴の大きなヒレもこの時期になると頻繁に動かして、とても大きく広げてみせてくれます。
幼魚期を過ぎたマンジュウイシモチもよく見れます。
白浜港のすぐ隣に位置する船浮湾は大きく、深く入り組んだ湾で中心付近は水深が80mもあり、奥地にはマングローブの群生、周囲を囲む山には大小の川があり、自然の土地を洗い流した水がこの湾に注いでいる今となっては稀な環境です。
本来、太陽の光を受けて成長するため浅い場所に発達するサンゴ礁もここでは太陽光の弱いやや深い所にもその群生が見られたり、また生物も他所ではあり得ない大きさだったりします。そうした生態系やまだ名前のない魚が見られるのも凄い。
そして海況次第で上原港に戻り、出港出来るときがあれば、ぜひともニシキテグリは見に行きたい。
夏の間、留守がちだったニシキテグリも10月以降、とても活発に行動します。こんなにまじまじ観察出来るニシキテグリも西表ならでは。
この年生まれた幼魚の姿なんかもチラホラ見れますよ。成魚に比べると全体的にオレンジ色が強いのも幼魚の特徴。
この季節は外洋へ出るチャンスが夏に比べて少なくはなりますが、意外な小物が色々と出没し静かなポイントでの生物探しや魚っちんぐにはもってこいで、じっくり腰据えたダイビングが堪能出来ます。
海況が穏やかになればそのときに外洋へ出るのももちろん有りです。
平均気温は10月で26〜28度、11月で24〜26度と比較的まだ暖かい日が多いのですが、そのときの天候次第(北風の強い日もあります)で体感温度は左右されるので、念のため、ちょっとの防寒対策が必要になります。陸上では長袖の衣類とボートコートなどがあるといいです。
お店でもボートコートの貸し出しをしておりますので、数に限りがありますがお持ちでない方は気軽にお申し付けください。
*** 10月、11月の西表コンディション ***
風向き 東〜北 (北東の日が多い)
気温 10月 平均26〜28度 11月 平均24〜26度
水温 10月 26〜27度 11月 24〜26度
10月から定期船の時刻も変更します。海が荒れた場合には上原航路が欠航し、大原廻りとなりますので、船会社の情報を入手して下さい。安永観光時刻表
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