原始の川、浦内川
2018年1月16日
気温 24度
水温 なんと16度(川です。)
一昨年の冬から継続している西表で一番大きく、沖縄県内でも最大級の川の調査。
どうしてこの川を調査しているのかというと、いろんな意味で掛け替えのない環境のこの川をモニタリングをしてそこの環境が損なわれていないかどうかチェックするのが一つと水量の多いこの川に2年前、取水するためのパイプが引かれてしまったことによる環境影響なども調べるのが目的です。
それと個人的な欲求ももちろん。
年間4〜5回の調査。
昨年の今頃も入ったのだけど、その時はやはり冬ということもあり、聞かされていた通り、魚は少なく大きな話題もなかった。なので今日もそんな気持ちもやや持ちつつ向かった。
総勢8名。
分担して、川の上流を目指して渓流域の各パートからスタート。
この冬は海水温も低いけど、さらに冷たい淡水域。僕が西表で経験した過去最低水温16度を記録。
それでも、渓流域には魚がいる。
そしてこの渓流域で見られるそのほとんどが海とこの渓流域を生涯で行き来してるというのだから凄い。
渓流域の上流部にはハゼの仲間がほとんどとユゴイの仲間がちらほら。
ハゼは圧倒的にヨシノボリが多い。
でもこのヨシノボリ、種類もいくつかあって、識別はかなり難しい。これももっとわかるとさらに面白いだろうな。
上流域は淵と淵をつなぐ場所は流れが早く、水中はこんな。
でも、わずか5センチほどのハゼがそこの岩に張り付いて流されないようにしている。
こうした場所を好むハゼの仲間は腹ビレが吸盤のような役目を果たしている。
よく見れば、オスとメスがいるし、お腹がふっくらと膨らんでいるものも見つかる。
この流れの中、女の子の気をひくのだからどえらいハゼです。
そして、渓流域を下がっていくにつれて、大きめの淵や少し水深のある場所も出てくる。
すると魚もサイズがやや大きくなったり、ハゼも上流部にはいなかったのが姿を見せ始める。ナンヨウボウズハゼやナガノゴリ、ボウズハゼなど。
そして、ある淵に入った瞬間、40センチくらいの黒い魚体がものすごいスピードで流れに逆らい、その淵に水が落ちこんでいるやや視界の悪い岩の下に潜り込んだ。
その時はまだ半信半疑で、確信持てなかったのが、数分後、今度は目の前2メートルくらいに体調70センチ(60センチかもしれないけど)ほどの巨体のやはり黒い魚が現れた。
その時は一瞬でも止まっているように見えたけど、次の瞬間にはさっきと同じように素早く視界から消えていなくなってしまいました。
幻を見たような不思議な感覚でした。釣りキチ三平の話に出てきそうな。
カメラもGOPROも持っていたのに、GOPROはバッテリー切れ、カメラは電源も入れられないくらい素早い。おまけに寒さで手はかじかんでガチガチ。
こんなのが、浦内川のそれも渓流域に本当にいるんだと改めて驚かされる。
こうした魚がまだこの場所にいるということがわかったのは非常に嬉しいことだし、今後、何かに歯止めをかけてくれる存在となりうるかもしれない貴重な調査となりました。
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