2022年のサンゴの産卵は
2022年2月18日
西表島でサンゴの産卵を見よう!
西表の海で繰り返されるサンゴの産卵、例年5月から9月の期間に産卵するサンゴが多く、計算されたように満月大潮付近のタイミングに合わせて様々な種類のサンゴが産卵をします。
昨年2021年最初の産卵確認できたのは、4月の満月後でした。
当初は5月に大規模産卵を予測していましたが、水温の上がりがやや早かったせいか4月の満月翌日には産卵していました。
サンゴの状態はもちろん、その時の水温や天候などにも左右されるようで、いつも同じタイミングでとは限らないのですが、毎年観察を繰り返しているうちにピークの産卵の時期には割と確率よく見れるようになりましたので、一度はという方はぜひ西表の元気なサンゴとその産卵シーンを見にきてください。
この冬は意外と暖冬で、水温も23度くらいまでにしか下がっていません(2月15日現在。)このまま気温が上がってくればこれ以上水温が下がることなく春を迎えるのではないかと思います。
水温の上がり方次第ではありますが、昨年同様に4月くらいから産卵が見れるかもしれません。産卵のピークというか大量産卵をするのは5月の満月前後と予想しています。
Q サンゴの産卵って?
A サンゴは主に無性生殖と有性生殖という手法で増えていきます。無性生殖とはサンゴ個体そのものが分裂してクローンのように増える方法、有性生殖とはサンゴが精子と卵子のつまったカプセルを海中に放出する方法でこの有性生殖による放出がサンゴの産卵と呼ばれています。またサンゴによっては放精、放卵をするケースもあります。
Q 西表がサンゴの産卵を観察するのに適している理由は?
A 西表島を含む八重山周辺海域には360種を越えるサンゴの生息が確認されていて、世界的に見ても非常に豊かなサンゴ礁であると言われています。全てのサンゴが同時に産卵をする訳ではなく、種類によって産卵のタイミングが異なるので、サンゴの種類が多いということは産卵をする時間帯に幅があり、産卵シーンに遭遇する確率も高くなります。
Q ナイトダイビングをした事がないけど、参加できる?
A ナイトダイビングを楽しむにはある程度の経験と技術が必要です。昼間のダイビングスキルで特に問題がなければ、初めての方でも参加出来ます。ただしナイトダイビングのみのご参加は安全面を考え、お断りしています。
サンゴ産卵ナイトを楽しむコツ
① 中層にも目を向けよう
産卵しているサンゴがすぐにわかればいいのですが、そう簡単にはいかない。でも、すでに産卵がどこかで始まっているときには、中層にフワフワと漂っているサンゴの卵が見つけられるはず。中層にはプランクトンなど漂っている生物がライトによって写し出されるので、意外に面白い。
② 動かず楽しもう
夜の海は移動を少なく、観察する事に集中します。サンゴも多いエリアなので不用意にフィンキックをしたり、バタバタしてしまうとサンゴを傷つけたり、浮いているたまごも見つける事が難しくなります。
③ ライトを上手に使おう
産卵しているサンゴにLEDの強烈な光を当ててしまうと、産卵を止めてしまったり、プランクトンが光に集まってきてしまい撮影が思うように出来ません。水中ライトの光量をできるだけ抑えるとか光を手で覆うなどして調整するとグッドです。
④ 手元足下には注意して
夜の海はライトで照らした箇所しかよく見えません、手足をつく所は予めライトで照らして確認をしましょう。トゲトゲしたガンガゼ(ウニの仲間)などに触れないように周辺サンゴも注意して楽しみましょう。
⑤ 撮影したい方はカメラにターゲットライトを予め固定しておこう。
片手でライトを照らしながらの撮影も出来ますが、予めカメラ本体にライトを固定しておくのがオススメ。
2022年西表のサンゴ産卵予測
4月18日〜20日 ☆☆
5月12日〜19日 ☆☆☆
6月14日〜17日 ☆☆
* 1回目の予想期間は今後の海水温の上がり方次第、サンゴ産卵は海況や水温に左右されるようです。
* 7月以降も満月の前後で産卵が見れるかもしれません。
* 期間中も連日産卵するわけではありません、滞在日程は復数日あると遭遇率は高くなります。
* 5月は概ねミドリイシという種類のサンゴが産卵します。
種類が多く枝状、塊状、被覆状とタイプも様々で比較的広範囲に分布しているサンゴなので、
タイミングが合えばたくさんのたまごが漂うファンタスティックな海中を体験出来るかも。
満月前後の夜の海で産卵をするのはサンゴだけでなく、他の生物も産卵をしていることがあります。ナマコもこんなポーズをとって放精放卵しますよ。
コメントを残す