海中は愛がいっぱい
2018年5月8日
天候 朝雨その後曇り
気温 27度
水温 25〜26度
波高 1.5m
宿へゲストを迎えに行く頃に土砂降りの雨。
少し待機して、30分後に海に出発。
今日は四半世紀のお付き合いのあるS吉さんとマンツーマン。5月は空いていてほぼマンツーマンデイが続きます。
海は非常に変化が多い季節で観察するのが際立っておもろい季節です。
今日は写真がないので、文字で今日の海をお伝えします。って文章得意ではないですけどね、頭の中で描いてみてください。
まずは1本目、体慣らしも兼ねて近い場所へ。
一見ガレ場に見えるけど、種類豊富な小さいサンゴが自生していて、その周りにはクサビライシと言う石コロのような単体のサンゴが無数に転がっているその斜面をゆっくりと水深17mまで。
小さな根にたどり着くと、大きなアオウミガメが居座っていました。根の上中層には飛行船のようにでっかいモヨウフグが漂っていて、根の裏に回ると普段は単独でいることがほとんどのオウゴンニジギンポが5〜6匹集まっています。
群れを嫌うこの一匹狼的な魚が集まってすることといえば、繁殖以外考えられない。
1匹1匹をよく見ると、どれも大きくヒレ先が著しく長い。色もいつも見ているのより濃く、綺麗である。
そして、それぞれがこれも普段はほとんど見せない行動なのですが、お尻から巣穴のような場所にスルスルっと入って、顔だけ出してる。まさにギンポらしい動き。
このオウゴンニジギンポらしからぬ動きをして集まっているのがオスばかりなのか、メスがいるのかは不明。ただその特異な行動に惹きつけられて、じっと観てしまう。
移動して、サンゴの斜面ではケラマハナダイのオス同士で婚姻色を出しまくっている。これも繁殖のための一つの行動だと思うけど、どうしてオス同士でそんなことをするのか、メスを誘う時と同じ格好でいいんかい?と思ってしまう。同じに見えても魚にとってはそうではないのかもしれないけれど。
そしてメインステージのサンゴ根へ。
今シーズン誕生したばかりのチビキンギョで賑わっている、水底付近のガレの方にはデバスズメダイのオスがメスを呼び込むための産卵床をしっかりキープ、そのすぐ上ではモンツキスズメダイがやはりいつもとは違う行動を見せている。サンゴの枝間を盛んに出入りするオスとその周りには、おそらくメスと思われる集団がその様子を品定めでもするかのようになんとなく気にしている。同じスズメダイでも、メスの誘い方はそれぞれでそんな行動を見比べるのも変態と言われそうだけど、なぜか面白い。
ニセネッタイスズメダイもお腹が大きく、つい最近まではいなかった小さいBabyも姿を見せはじめた。カザリキュウセンも真上から見ると、左右にお腹のあたりがぽっこり膨らんでいて、産気づいているのがわかる。
ぱっと見、いつもと変わらなく平凡に見える魚も何気にそんな時期を迎えているんです。
サンゴ根の周辺ではガレの影にキンセンイシモチがすでにメスのお腹から授かった卵を苦しそうに口いっぱいにくわえて、その脇では産卵を控えたペアが日中からベタベタと体を寄せ合って、くるくる回りながらイチャイチャしている。そのイチャつきぶりはたとえダイバーでない人が見ても、そうであるとわかるような濃厚なくっつき具合。
キンギョハナダイはすでに繁殖期のピークは過ぎたはずだけど、今日のオスはまだ何か艶っぽく色っぽさがありました。で、やっぱり時々メスを誘惑してました。
魚が色っぽいとか艶っぽいってのもおかしいけど、これ毎日、気にして見てるとやっぱり言葉では上手に表現しにくいけど、色艶の美しさが違うのがわかるんです。
とにかく今、水中は愛に溢れています。
今日は途中雨もあったので、2ダイブで終了。
ここでまた文章にすると非常に長くなるから載せないけれど、2ダイブ目も非常に内容濃かった。
ゲストもカメラスタンバイしてきたのに、今日は観てるのが面白いとカメラはボートに置きっぱなしで水中を手ぶらで楽しんでおりました。
結局、防水ケースに装着されていつでもスタンバイOKのカメラは終日、ボートのカメラ水槽の中でプカプカ浮いておりました。
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