西表はサンゴも多様
2020年12月10日
天候 曇り時々晴れ
気温 26度
水温 24度
波高 2.5m
一昨日から講師を招いてサンゴの勉強会。今日は読み応えありますよ。
昨日までの2日間は室内で座学、様々のサンゴの骨格標本をルーペと顕微鏡を使ってのぞいてサンゴの分類。
魚などに比べて、研究者や携わる専門家が少ないので、まだ解明されていないことも多く、分類なども改正されてたりするので昔の図鑑を見ていても、全く違っていたりすることもありのまだまだ種や不明なことが未知数な動物です。
3日目の今日は実際に潜って、生きているサンゴで確認してきました。
講師が2名と講習会に参加ガイドと合わせて総勢20名ほどで、2チームに分かれて潜ってみたのですが、エントリーしてすぐ船の下だけでも複数のサンゴがあるので、ひとつずつ観察始めるともう、その場所から動くことができない。
5m四方で30種類くらいはあるんじゃないかな、いやもっとあったかもしれない。
サンゴって言うけど、想像するサンゴはそのほとんどが群体になっているもので、実はそれぞれのサンゴの個体自体は非常に小さく、その集合体を僕らは見ているのです。
ものによっては一軒家くらいの規模のひとつの大きな塊にも成長したりするけど、そのサンゴだって、ひとつのサンゴ個体はわずか数ミリだったり1センチほどでそれが集まって巨大なサンゴを形成しているのです。
樹枝状になったり、テーブル状になったり、山のようになったり、平たく葉状になったり、同じサンゴでも形が変わることも、見た目の色も違ったりする。
なのでサンゴは他の生き物とは違い、水中で見てるだけで種類まで特定することは専門家でも難しいのだそうだ。
今回の勉強会で取り上げられたひとつのクサビライシの仲間。
沖縄で潜ったことのあるダイバーなら一度は目にしている割とどこにでもあるサンゴ。水底に転がっているタワシの石のようなサンゴ、裏返しにひっくり返っているものもよく見かけます。
サンゴはどこかに固定されているのが普通だけど、クサビライシのほとんどが固着生活しないという変わり者。
数あるサンゴの中でも、とりわけ注意して見たり、そこに視線を向けることがほぼないサンゴですが、クサビライシの仲間だけでも、15種類が沖縄にいるのだそうだ。
見た目はほぼ同じ2つのクサビライシだけど、別種。
この仲間は大きいか小さいか、長いか丸いかの違いくらいで、よく似てる。
10〜20センチくらいのが多いけど、大きいものは30センチさらに大きくなるものもあるようだ。
これが他のサンゴたちと大きく違うのは、どのクサビライシもサイズに関係なく、ごく一部をのぞいてそれぞれが単体のサンゴで集合体ではないこと。
サンゴ個体ひとつがそのまま大きく成長していきます。
固着はしていないけど、全く動いて移動している形跡はなく、波の影響とかで水中が揺れた時にゴロンとひっくり返ってしまうようだ。骨格もそれなりに重量感あるので、ひっくり返るといつ来てもそのまま裏返し。
だから自分で動くことはまずないんだろうと思ってたら、時々ミリ単位で動くらしい、ぎょえっ〜。
2本目は、そんなクサビライシの中でも非常にレアだとされるサンゴを見に行くことに。
その場所を知っているガイドがキチンと西表島にいるから素晴らしい。
その方の後に全員でついていって、水深26mまあまあ深い、すると、その水深のある一角にやや小型のクサビライシが複数見つかる。
ハグルマサンゴのムツカドマンジュウイシ。その名前から角界のハグルマ親方、ハグルマ親方と船の上で連呼してたのですが、親方とはほど遠いサイズでこの波打ってるフォルムが最大の特徴。
こちらも初対面、小型のクサビライシでなんと自らの身体を分裂させて(自切して)個体数を増殖させるというちょっとホラー的な生態を持つその名もワレクサビライシ。
そして、ここでさらにクサビライシの生態の真相に直面。
実はクサビライシは、幼体の一時だけは固着生活を送っているというのを前日の座学で初めて聞いていた。
水中でひっそりと小さなキノコみたいになっているらしいのです。思いもしてなかったので、その話聞いただけでもびっくり。
それがそこにあった。
アンビリーバボーな瞬間。
ある時になるとポキっと折れて、通常見ているクサビライシになるとか。
もう、ほっほ〜とか、ぎょえっ〜が止まらない水中でした。
水中の視点を変えると、潜り方も楽しみも変わってかなり面白く、さらに興味が尽きない。
こうした生物の豊富過ぎる西表島に感謝です。
一読ありがとうございました。
コメント
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へぇ〜〜 がいっぱい♡
サンゴ、いつも背景ですもんね。。
>時々ミリ単位で動くらしい、ぎょえっ〜。
それも驚きだけど、それを確認した人はもっとスゴイよね。執念を感じる(笑)